「サピエンス全史」を読んで(1)

先週末Amazonで人気の「サピエンス全史」上巻を読んだ。ビルゲイツザッカーバーグも推薦しているらしい。

https://www.amazon.co.jp/dp/B01LW7JZLC/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

 

この本は、歴史学者のユヴェル・ノア・ハラリという人が書いた本で、2015年に出版されたので、まだかなり新しい。

ユヴァル・ノア・ハラリ - Wikipedia

 

この本はホモサピエンスが生まれた20万年前から、現代までのホモサピエンスの進化の過程、また、現代の文化の成り立ちを一つの非常にわかりやすいストーリーで記述している。学生時代世界史や日本史の授業をうけたが、太古の昔から現代まで連続したストーリーでこの本のようにわかりやすいストーリーで大局的に教えてくれる授業はなかった。

この本を読むと、現代の社会が成熟しきった定常状態ではなく、20万年前ホモサピエンスが生まれた時から進化させてきた人間社会が今の社会であり、常に進化し続けている過程の1地点なんだということが実感出来る。

約20万年前からホモサピエンスは存在したが、約7万年前〜3万年前に「認知革命」がおこあった。「認知革命」とは、この時期に見られた新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを指す。この認知革命により、ホモサピエンスは、東アフリカの外、中東やヨーロッパでも暮らすようになり、他のヒト、例えばネアンデルタール人などを滅ぼすことができたらしい。認知革命以降のホモサピエンスの知能は現在の人間と同等で、現在の教育を受けさせれば、現代人と同等の知能を持つことができる。ただ、なぜこの認知革命が起こったか、はっきりしたところはわかっていない。

この認知革命により、人類がおこなうようことができるようになった意思疎通に、「噂話」がある。噂話とは、ホモサピエンス自身に関する情報のやり取りである。これに対し、ホモサピエンス以外の動物は、何らかの意思疎通方法は持っているが、噂話はしない。例えば、サバンナモンキーは、様々な鳴き声を使って意思を疎通させる。動物学者は、ある鳴き声が「気をつけろ!ワシだ!」という意味だと突き止めた。研究者がこの鳴き声の録音を他の猿に聞かせたところ、猿はしていることを中断し、恐ろしげに上を向いたという。つまり、猿も何らかの言語を持っており、意思疎通することができる。しかし、「あいつはクズだ」、「あいつは信頼できるやつだ」というコミニュケーションは行わない。噂話ができることができるようになったことにより、ホモサピエンスはネアンデルタール人を滅ぼし、遠く離れた地に移住することができるようになった。噂話というと、悪い印象もあるかと思うが、この本によると、噂話をできるようになったことにより、ホモサピエンスはお互い協力できるようになった。噂話により、「こいつは信頼できる」とか、「こいつはダメだ」と言った情報が集団内で共有され、より協力しやすくなる。ネアンデルタール人や、認知革命以前のホモサピエンスは、なかなか陰口が聞けなかったらしい。

考えてみれば、我々のコミニュケーションのほとんどは、噂話である。最近は、ITが発達し、social mediaが生まれたことにより、噂話の形は大きく変化している。噂話が生まれたことにより、噂話がなかった時より集団内の個々人の情報について共有できるようになり、人が進化してきたことを考えると、ITは人の進化に大きな影響を与える可能性がある。