自分がなりたい理想像と職場にいるおっさんとのギャップ

就職してみて、感じたことの一つが、職場にいるおっさんのようには、将来あまり進んでなりたくないな、ということである。

具体的に、「職場にいるおっさんのようには」とはどのようなことなのか、考えてみた。

一言で言うと、職場にいるおっさんは、その職場に最適化されすぎている、ということである。

つまり、就職してから、あまりユニバーサルに通じるスキルを身につけていない、ということである。

 

職場に最適化されるのは、別におっさんたちが悪いわけではない。大企業というのは、そういうところなのだ。分業で成り立っている。企業的には、最適化された人材が必要である。

私は、自分の知識・経験を広く広げていきたい。複数の専門性を持ち、それを活かして社会に貢献していくのが理想である。

私は、おそらく結構珍しい経歴で、大学までは、応用物理、就職してからは、ポリマーの開発に携わっている。理想としては、応用物理系の知識と、ポリマーの知識を組み合わせて、仕事をしたいと思っている。

おそらく、何も考えないで働いていると、いつの間にか、職場でのいい加減なポリマーの知識だけが身につき、いつの間にか大学の専門は忘れ、よく職場にいる、職場内の知識はあるが、その職場でしか生きられないおっさんになってしまう。

ここまで書いて、気づいたが、今までの「最適化された人材」とは、中途半端に最適化された人材、のことである。完全にその職場のことを知り尽くし、いろいろな開発の背景、理論的な背景まで知り尽くした最適化された人材ならば、その人材は、どこに行っても活きていける。私が問題視しているのは、「中途半端に最適化された人材」である。大学時代の専門と異なる業務を職場でこなしていった結果、理論的には裏付けされていない中途半端な経験だけが増え、その場ではある程度通用するが、そこから離れた瞬間、理論的な裏付けがないため、自分では考えることができず、生きていけなくなる人材である。まさに私のことである。

このような人材が生まれる背景としては、新卒一括採用がある。また、大学での学科の人数と、産業界が必要としている各学科の人数の大きな乖離である。よくは知らないが、新卒採用がなく、専門性がある人しか採用しないようなシステムの国では、このような人材は生まれようがない。

どうすれば、「中途半端に最適化された人材」にならずに済むのか。一つは、就職してから、業務に必要な理論を、頑張って学ぶことである。あと一つが、学生時代の知識と、就職してから身につけた知識の両方を広く浅く知っていることによるメリットを活かせるよう、途中で方向転換することである。私は、前者になる根性がないため、頑張って後者のほうになれないか、異動、転職も考えつつ、道を探している。例えば、ポリマーフィルムの生産設備の開発、などである。ポリマーの構造・物性と、制御工学など広い知識が要求されそうである。

これからの時代、中途半端に最適化されて人材は生きていく道があるかどうかわからない。ITによる業務効率化、インターネットによる知識の集約化が進んできている今、深く物事を知っている人間と、広く浅く知っている人間しか生き残れない気がする。

どうすれば、そのどちらかの人材になれるのか、模索中である。